2012年12月09日

地名の起こり「立石様」は、とっても小さな石だった

「へ?」――私と母は、思わず顔を見合わせました。立石の地名の起源といわれる石、「立石様」を、「立石稲荷神社(立石祠)」に親子で初めて訪ねた時のことです。
 立石と隣駅、青砥の間、くねくねと狭い路地が続く住宅密集地の一角に、立石稲荷神社はあります。敷地内には滑り台もあり、神社と公園を合体したような趣です。
 そんな神社の鳥居をくぐって進んで行くと、石で作られた小さなちいさな鳥居があり、その奥に、囲いに守られて何かが祀られています。
「そうか、この中に立石様が鎮座しているのね」……と、思ったのですが、囲いの中をのぞいても、目に映るのは、地表にほんの少しだけ頭を出したなんの変哲もない石。
 うん? こ、これは……。母も私も、ある程度高さのある石を想像していただけに、「へ?」以外の言葉が出てこないのでした。

立石様.jpg  立石様アップ.jpg

 さて、ここで神社に立っている説明板を引用しましょう。
 葛飾区指定史跡 立石
 所在地 立石八丁目37番17号
 指定年月日 昭和51年3月6日
 古くから「立石様」とよばれ地名の起こりとなったものです。
 室町時代の文献、応永5年(1398)の『下総国葛西御厨注文』をみると、すでに立石の地名が出ています。江戸時代になると『江戸名所図会』『新編武蔵風土紀稿』にも奇石として紹介されています。
 地元の人々の崇敬と畏怖を集め、文化2年(1805)村の名主島田新右衛門らがこの地に石祠をたて、立石稲荷神社としてお祀りしました。
 この石が古墳の石材の一部であるか、巨石信仰の一種なのか確かな用途はまだわかっていません。しかし、この付近にいくつかの古墳が築かれていたことは、発掘によって確認されています。
葛飾区教育委員会

 立石様は少なくとも江戸時代から崇められていたんですね。昔の記述に、立石様=「牛が伏せているような形」という表現があるようですが、そうとも見えるし、そうでないとも言える……。だって、本当に小さな“路傍の石”風の石なんです。どうして、この石がそんなに大事なの? 謎が深まります。




 それで、ちょっと調べてみた結果が以下です。

立石様全景.jpg 立石様は、
*奈良、平安時代、道しるべとして使われていたら しい。
『江戸名所図会』に描かれた立石様は、現状より ずっと大きい。
* 江戸時代に採掘が試されたが、疫病が流行り中 止。以来、奉ることになった。
* お守りとして、人々が立石様を砕いて身に着けた り(日清日露戦争時には、弾よけのお守りとして珍 重されたとか)、地盤沈下したために、だんだんと石が小さくなった。
立石様の周辺から、埴輪片などが発掘されており、また、立石様が古墳に用いられた「房州 石」(千葉県鋸山付近でのみ採掘される)であることから、近年、「立石様=古墳の石室、天井部 分の一部(したがって中は空洞)が地上にあらわれたもの」との説が有力。

 とすると、立石様の下に、古墳が眠っているのでしょうか? なんだかちょっとロマンチックな話です。できることなら、その古墳の中に「ミツワの白タレ」(立石仲見世のモツ焼屋、ミツワの豚大腸焼き)をお供えしたい。きっと、立石様も喜んでくれるよ。

 なお、お終いに、立石様がらみの話題をもう2つ。
1) 京成立石駅には、下りホームの端に立石様コーナーがあります。
2) 立石の起源=立石様には異説も。『新編武蔵風土紀稿』には、「立石とは、熊野神社の神体である石剣」という内容が記されている由。そうなると、立石の起源は立石様でなく、この剣ということになります。

□立石様
住所:葛飾区立石8-37-17

参考文献


柳田由紀子の本/紫
posted by 柳田由紀子 at 18:07| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 立石のその他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
立石祠を掘り起こそうとした島田新右衛門の子孫です。祖父の太郎や曾祖父の八郎の頃は名主時代の財産もまだ残っていて、立石様や熊野神社に鳥居や碑などの寄進をしていたようです。代々の墓地が京成線青砥駅の北、水戸街道の少し先にあるので、何年かに一度は立石祠も見に行きます。最近も息子を連れて行きました。記事を楽しく拝読しました。今後も楽しみにしております。
Posted by 島田 明 at 2010年04月27日 01:23
島田明さま: 島田新右衛門氏の子孫の方からコメントなんて感激です! ありがとうございました。そうですか、もう立石に住んでいらっしゃらないのですね。立石、最近元気です。いずれ仲見世辺りでお逢いしたいですね。
Posted by 柳田由紀子 at 2010年04月28日 11:07
 平成 22 年  7月 29日
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Posted by ユニコムかつしかNPO法人 at 2010年07月29日 11:14
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